2018年 12月 02日
高速貨車が誕生した頃の国鉄を取り巻く環境 国鉄が、高速貨車を誕生させたのは、昭和41年でした。 名神高速に続き、東名高速も開通した頃で有り、本格的なトラック輸送が幕を開けようとしていました。 国鉄の貨物輸送は、旧態依然としたヤード系輸送が中心で有り、近距離を中心に貨物輸送が浸食されている時代でした。 そこで、国鉄としても貨物輸送の近代化を図るため、昭和39年2月14日に国鉄本社内に、貨車近代化委員会を設置し検討が開始されました。
その方向性としては、
高速貨車、ワキ10000の試作 と言った内容で有り、この基本線に沿って高速貨車の具体的な開発計画が検討された結果,40年12月を目途に高速コンテナ列車1編成を試作し,東海道本線で試用することとなり,その先行試作としてこのワキ10000形式有ガイ車が試作されることになりました。 ワキ10000形は、ワム80000をベースにスペースを拡張して、ボギー車としたものでした。【同時期にワキ5000が誕生していますが、こちらは、ワキ10000をベースに85km/h車として量産した車両で基本的な荷室の構造は同じ。】 ワキ10000は、貨車で空気バネを使用した貨車として注目されますが、止むに止まれぬ事情があったようです。 当時の交通技術という部内誌を参照しますと、その辺が記載されています。
他にも貨物列車と言うことで、特殊な事情がありました、貨車の場合最高速度が低く抑えられてきた背景には、最高速度から非常ブレーキで600m以内に停車しなくてはいけないという基準でした。 特の貨車の場合、最高速度を上げてかつ、この距離を実現しようとすると、空走時間を短縮するための電磁弁の設置や、ブレーキの緩解を早めるために在来のブレーキ管に加えて、元空気だめ間を引き通さなくてはなら無いという問題が生じました。 高速化車の場合、こうした作業が従来の貨車のブレーキホースの接続以外に作業として増えることとなるわけです。 ただし、国鉄線上で運用する場合、1両単位で他の貨車と連結する場合も考えられるため、従来のブレーキホースも省略できないという問題を含んでいました。 なお試作車は、緑2号(湘南電車の緑色1色)に塗られており、戸袋も、ワム80000と同じ鋼製で製作されていたため、非常に重く、具合が悪かったことから、量産車ではアルミ製引き戸に変更されています。 なお、その後試作車も量産貨車と同じ鶯色に変更されたそうです。 参考文献 鉄道ピクトリアル、昭和40年6月・10月号 100年の国鉄車両 交通技術 昭和40年5月号
by blackcat_kat
| 2018-12-02 18:23
| 貨車
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