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日本国有鉄道研究家 blackcatの鉄道技術昔話

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2018年 06月 08日

気動車発達史 27-2 アルファコンチネンタルエクスプレスの話

久々に気動車発達史をアップしたいと思います。
国鉄末期にキハ28・58形を改造したアルファコンチネンタルエクスプレス(キハ59・29)に関するお話です。
アルファコンチネンタルエクスプレスは車両もさることながら、その販売方法はギャランティ方式と呼ばれるものが導入されました、この辺は技術的な部分とは外れますので詳細は省略しますが、買い上げ運賃のうち、国鉄側に不足が生じた場合はホテルがその不足金を充当するというもので、金額にして約7300万円であり、これは、昭和60年12月21日~61年4月13日までの期間の114日間、座席定員の80%に相当する額となっており、当然のことながら利用者が多ければ、国鉄にはプラスになるように考えられていました。
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ギャランティ方式の概念

実際には、大好評でキロ29を急遽追加で外観だけ塗り替えて投入しましたが落差が既存の車両と落差が大きいとクレームの元となり追加で1両改造されたのはご存じの通りです。

改造車として秀逸だった車両
キハ59・29は、キハ56・キロ26を種車として、が昭和60年未に誕生しました。
改造は、苗穂工場が担当し、詳細設計を含めて約4ヶ月で完成させたとされており、昭和60年12月21日から運転を開始しています。
従来の国鉄型と比べると下記のような大きな特徴がありました。
  • 前方展望室としたこと
    パス等とはひと味違った前方景観楽しんでもらうと同時に、運転しているようなダイナミックな気分にひたってもらおうというもので、国鉄としては初の試みでした。
  • 眺望性をできる限り広げるため、来務員室と展望室をオーフンタイプとしたこと
    客室からの音、光の反射などが懸念されたが、業務に支障をきたすものではないと実証されました。
  • 専用の荷物、スキー置場を客室と分離して設けたこと
    これは室内居住性を高める上で大いに役立ちました。
改造の概要
なお、車両の特徴としては、先頭から1/3程度を切断して新しい構体を別途取り付ける方法tなっていました。
前面の展望席は、床面から約60cm嵩上げしており、固定式の座席が3列、12人分設置されています。
なお、眺望を確保するため、後方に向かって5cmずつ高くなるように配慮されていたそうです。
又運転席との仕切りは、5mmのガラス窓のみとしており、後方からの眺望を極力妨げない工夫が施されており、夜間運転時などは、運転台直上に設けられた遮光カーテンを閉めて室内からの映り込みが無いように配慮されていました。
車両定員は3両編成で156名。各車両52人で統一、一般座席は従来の床面から座席は17.5cm嵩上げされたハイデッカーとなり足下の暖房管を隠す形となりました。
シートピッチは960mmで当時の183系気動車よりも200mm広くなっていました。
なお、内装については従来の発想に囚われず。住宅用に使われる素材などを試用したとされています。
こうした思い切った発想が、その後のJR発足後の車両に活かされたと言えそうです。

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by blackcat_kat | 2018-06-08 00:09 | 気動車


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