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2018年 05月 21日

気動車発達史 26 キハ38形 通勤形気動車

キハ38誕生の背景

キハ28が計画された背景には、ローカル線の廃止問題が絡んでいました、昭和58年には、ローカル線の基本仕様と言うべきキハ37が製作されました。
この車両はよく考えられていて、片運転台ですが、運転台後ろに出入り口があり、反対側は少し中心よりにドアが設けられており、将来ワンマン運転にも配慮された車両であり、窓割りもキハ40系列に準じており、クロスシートに置き換えることも容易な構造となっていました。
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キハ37形気動車

ただ、現在キハ35が活躍している線区、【八高線】のように非電化区間ではあるが相当数の需要がある路線でキハ37を投入するのは難しい。(八王子駅 - 高麗川駅間が電化開業は、1996年3月16日)さらに、キハ35初期車が経年でにより老朽化しており、更新の時期を迎えていたこともあり、キハ35の改造名義で各国鉄工場で製造されることになりました。

キハ38製造に当たっての理由が、国鉄の部内誌交通技術、昭和61年2月号(1986)に書かれていましたので、長いのですが、全文引用させていただきます。

キハ38形式が製造された背景について資料引用【交通技術資料から抜粋】

一般形気動車の老朽対策として、設備水準の高い急行形気動車のうち比較的経年の若い事両を対象として、特別保全工事による延命を図っているところであり、約900両を数える最新形式のキ〆40系と合わせて、当面約1500両のー般形気動車は確保できる見通しである。しかしながら、これらの形式はいずれも、片側2扉で座席配置もクロスシートまたはセミクロスシートであり、主として大都市近郊区間で使われている3扉・ロングシートのキハ35系については、代替車となり得なない構造であった。
また同時に、こうした3扉車が運行されている線区は、今後とも鉄道輸送の使命が残る線区であり、さりとて近い将来に電化も見込めないことから、何らかの老朽車両対策が必要となっていた。
そこで、一般形気動車の前給見通しが不明確な状況ではあったが、手戻りのない範囲として、また、優先順位の高い分野として、3扉・ロングシートの一般形気動車の取り替え用に、キハ37形式を基本としたキハ38形式を開発することとした。
なお、製作にあたっては、緊急の課題である設備投資の抑制と余剰人員の活用を図るため、キハ37形式で行った発生品活用の考え方をさらに徹底し、原則として老朽化した車体のみを新製して、主要な機器は再用する「車体更新改造」によることとした。
この車両の特徴は、液体変速機なども廃車発生品を流用したほか、側窓などにはバス用の汎用品を用いるなど、大幅なコストダウンを図ることを目的とており、国鉄工場の技術力維持のため5カ所の工場(大宮工場、郡山工場、長野工場、幡生車両所、鷹取工場)で7両が製作されました。
過員対策としても、行われたと書かれている点が時代を感じさせます。
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キハ38形気動車
キハ38形気動車の主な特徴

さて、キハ38形気動車の特徴を再び交通技術から引用させていただこうと思います。

  1. 片側3扉両開、ロングシートの通勤タイプとするが、性能・構造ほキハ37形式を基本としさらに徹底的な従来部品の再活用を図る。
  2. 機関は、今後の使用を考慮し、性能、燃費、重量、修繕費等を総合的に検討した結果、DMF13系機関とするが、室内騒音の低減を図るため、縦形とする。
  3. パス等の他輸送機関に対抗できるだけのサービスを提供すべく、冷房を装備する。
    なお、冷房装置には市場性の広いパス用クーラーを保用し、新製費を低減するとともに、1両単位での冷房を可能にする。
  4. 側引き戸は、キハ35系の外吊り式をやめ、戸袋万式とする。
    なお、一般形気動車で盲は従来、冬季、単線区間での対向列車の待ち時間等を考慮して、半自動ドア(聞きは手動、閉じは自動)としてきたが、キハ38形式では、扉付近の内外に開閉用のボタンを設け、停車中は来降客が、必要により押しボタンを押すことで、楽にドアの開閉ができるように改善した。
  5. 最低2両での運行を想定して、片運転台とじたまた、便所は2両に1カ所の割合で設けることとし、便所の有無で番号区分を行っている。
    キハ38   0代   便所あり
    キハ38  1000代  {更所なし
  6. 席配置は縦形(ロングシート)であるが、簡素な構造ながらもパケットタイプの区分座席とする予定で、暖色系の色彩とともに、温かい居住空間を目指している。
  7. 外観は斬新な前頭形状を採用し、外部塗色についても、従来のイメージを一新すべく検討中である。
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なお、キハ35形では強度の問題で外吊り式引き戸を設けていましたが、キハ38形では、多少の補強を行えば、3ドアでも大きな問題にならないとして、従来型の戸袋方式に戻りました。
また、八高線のキハ35で半自動ドアのボタンが試行されていましたが、キハ38では本格的にドア開閉用のボタンが採用されサービスが向上しました。
また、一般気動車としても初めて冷房装置が装備されることとなり、1台で最大2万6000kcal/hの安定した冷房能力の得られるサブエンジン方式のAU34形冷房装置を搭載されました。
ただ、これでも冷房能力は不足気味のため扇風機を併用することとすると、当時の資料を参照すると書かれています。

キハ37同様、量産に移ること無く、現在は廃車され、1両は水島臨海鉄道で活躍しているのはご存じの通りです。

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by blackcat_kat | 2018-05-21 11:13 | 気動車


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