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2018年 05月 09日

気動車発達史 25 直噴気動車の導入 キハ37

本日から、国鉄の直噴エンジンを搭載したキハ37のお話をさせていただこうと思います。
キハ37は、地方ローカル線で使用する気動車として、軽量で安価に製造できる車両という視点から開発され、キハ47と比較して60%の価格で生産されたと書かれています。
昭和56年度第3次債務で5両の量産先行車が試作され。昭和58年1月に落成、各種試験に供されています。
千葉局の久留里線に3両、大鉄局の加古川線に2両が配置されましたが、ローカル線事態の廃止が進んだことや、更に軽量化したレールバスや、それに準じた軽量車体の気動車が開発されたため、量産されることは無く、量産試作車の5両のみの製作となりました。
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画像 wikipediaから引用

国鉄初の直噴エンジン搭載車両 キハ37
キハ37の特徴は
  • 直噴エンジンを採用したこと
  • 電子ガバナを採用して燃費の向上を図った
このエンジンは、船舶用の高速エンジンを鉄道車両用に転用したもので、キハ20以来の縦型エンジン採用となりました。
エンジン形式は、DMF13S(Hは水平を示す)
なお、同じ時期にキハ48のエンジン直噴化改造が行われています。
国鉄向け部内誌である、交通技術の昭和58(1983)年4月号の30ページに下記のような記述があります。
キハ37形式一般気動車と言う本文の、30ページに下記のような記述が見られます。
4) DMF13S駆動用ディーゼル機関従来のDMH17C形機関を6シリンダとし、それを直噴化して出力アップを図るため、過給機を取り付けた機関である。
その特徴は次のとおりである。
と書かれていますが、この記述は誤りであり、DMF13Sは、高速船舶用エンジンを鉄道用に改造したものです。
量産試作車の仕様
量産車は、主としてローカル線での活躍が見込まれていましたが、肝心のローカル線が廃止されてしまったこともあり、結果的に投入するタイミングを失ってしまうことになりましたが。廃車発生品を積極的に活用したことや、軽量化・簡素化に努めキハ45と比べても新製価格は60%の抑えることが出来たほか、特急気動車を除く全ての気動車と連結できるようになっていました。
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交通技術 昭和58(1983)年4月 から引用

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鉄道ピクトリアル 昭和58(1983)年4月から引用

直噴エンジンは、昭和56年からキハ40系列気動車に改造で搭載
昭和59年の国鉄部内誌の交通技術を参照しますと、59年(1984)時点で、国鉄では下記3種類の直噴エンジンを保有し比較している旨の記述を見ることが出来ます。
既に、キハ37の量産化と並行して、昭和58年(1983)2月にキハ40系のDMF15HSAを改造して台上試験が行われています。【下記のDMF15HSA-DI】が該当します。

  • DMF15HSA-DI
    昭和53年以降量産されたキハ40系ディーゼル動車搭載の過給機付機関を直接噴射式改造した機関。電子制御装置付
  • DMF15HZB 新特急用として開発された機関。
    改造ではなく、DMF15HSADIを基に設計段階から直接噴射式で進めているので、直噴式の長所を余すところなく引き出している。電子制御装置、過給機、インタークーラー付
  • DMF13S
    昭和58年2月に地方交通線のエースとして登場したキハ37に搭載された機関。船用機関を鉄道用に改良した機関。過給機付。

キハ37で搭載されたエンジンは第3セクター鉄道並びにJRの標準化エンジンに

キハ37形に搭載されたDMF13Sエンジンはその後横型に再設計されて、第3セクター鉄道やJRの気動車エンジンとして活躍の場を広げることになりました。



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by blackcat_kat | 2018-05-09 12:30 | 気動車


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