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2018年 03月 26日

気動車発達史 19 キハ90形気動車の開発 2 量産試作車編

量産型キハ91誕生

キハ90形並びにキハ91形は新製後、千葉区に配属され検討された結果、大出力のDML30系エンジンを今後の気動車の標準エンジンとすることが決定されました。(在来気動車との併結の際は、読み替え装置が設けられていたそうです)
高出力エンジンを使用することで、付随車を随時挿入することが出来るほか、冷房用エンジンを設置するスペースを確保できることで経済性が高まると言う判断でした。
そこで、更に量産に向けての実証用として、キハ91形7両とキサロ90形3両が昭和42年7月に製作されました。
キハ91形については1両のみ試験的に冷房装置を搭載、その他車両は準備工事にとどめられました。
また、1等車【グリーン車】は付随車として製作され、当初から冷房付きになっていました。
キサロ90の外観はキロ28を踏襲したものですが、キロ28-0番台が張り上げ屋根であったのに対し、普通の雨樋があるタイプの屋根となり印象が変わりました。
ただ、キロ28の最終増備車である、キロ2309 - 2314・2508 - 2518に関しては外観をキハ65と合わせたため、キサロ90に近いイメージになりました。
量産試作車キハ91 100年の国鉄車両から引用


いかめしい読み替え装置を付けたキハ91量産車の外観

キハ91量産試作車は、キハ91試作車が全体に丸みを持たせたものであったのに対して、後に製作されるキハ65に似た外観でした。
国鉄部内雑誌、交通技術の資料に書かれている記述を引用させていただくと、試作車の運用で得られた内容を基に、特に耐寒耐雪対策などを盛り込んだと書かれています。
少し長いですが、全文引用したいと思います。
キハ91は試作車の使用経験を生かして種々の改良が行なわれている。
走行性能の向上・従台車の滑走防止・機関の点検を容易にするための燃料噴射ポンプおよび始動電動機の移設・屋根上放熱器に補助送風機を取付けた冷却能力の増加・小形継電器の密封化・自動連結器の錠のせり上り防止・側折戸の開閉容易化・排気管の防振支持などを実施している。
寒冷地で使用するので、必要箇所に耐寒耐雪対策も併施した。特に発電機関を冬なども運転するため、ウオーミングアップ・不凍液・オイルパンヒータを追加した。
名古屋~長野間1往復の運転になるが、一部の区間で在来車との混結運転が行なわれるので、キハ91の前面には混結装置を取付けたままで、他の運転が支障しないよう考慮しである。
ここで書かれている、混結装置とは、運転台下に付いている箱であり、ノッチの読み替え等を行う装置でした。
wikipediaの写真などでは、この制御装置が外されている写真が上がっていますが、落成当初は下記写真のように運転台下を殆ど埋めるようなに装置が付けられていました。
なお、キハ91-8のみ冷房装置が試験的に搭載された以外は、準備工事とされたことは前述したとおりですが、クーラーに代えて補助送付機が設置されていました。
下図参照
a0091267_23013486.jpg
冷房装置の代わりに設けられていた補助送風機
結局最後までキハ91 1~7は冷房化されることはありませんでした。

a0091267_23030630.jpg
当初千葉区に配置されたキハ90・91試作車は量産試作車と共に名古屋区に移転となり。昭和42(1967)年12月から、「急行しなの」運用に入ることになりました。
a0091267_23005115.jpg
昭和42年10月時刻表から引用

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by blackcat_kat | 2018-03-26 23:04 | 気動車


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