鉄道ジャーナリスト blackcatの鉄道技術昔話

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2017年 04月 29日

アンヒビアン・バス・・・世にも奇妙なバスのお話

JR北海道が開発を続けていたDMVですが、阿佐海岸鉄道で導入を進める計画があるとのことであり、これが実用化されればローカル線の在り方を変えることが出来るかもしれませんね。

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[実はこの方式は、昭和30年代(1960年代)に既にドイツで実用化されており、運転席側に台車を付けて後部車両は、タイヤが直接レールと接する方式だったそうで、DMVに限りなく近い車両であったそうです。」
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当時の記事 公益財団法人 交通協力会 鉄道技術昭和36年11月号から引用

この情報を受けて、日本でも同じようにローカル線輸送の切り札としてこの鉄・道両用バスが計画されました。
それがこちら、
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バスの両端に台車が乗っかる、不思議なスタイルです。
ジャッキでバスを持ち上げ、両端に台車を挟み込む方式と言われており、台車自体は路面電車並ので66cmの車輪を採用していました。
また、ステップを装備しており、ドアと連動してせり出したそうです。
特長としては、バスに余分な車輪等の死荷重を持たないことでした。
その反面、車をリフトで載せる手間や、ブレーキホースの装着などの余分な作業があるため、5分程度で切り替えできると計画では書かれていましたが本当に5分で行えたのか、いささか疑問です。
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出入り台付近にステップが設けられている様子が伺えます。
バスの前から出ているホースはブレーキ用ホースで、先頭台車の2軸目が動力台車となる。
以下の図を参照
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真ん中に突き出す軸が動力伝達用、バスのドライブシャフトと繋がるらしい。

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バスの車体はこのピンを通じて台車と連結される


計画では、ローカル線での運用を計画するとして23線程候補があったそうですが、実際には実用化されずに終わっています。
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車内はバスそのものとなっています。
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鉄道の場合左右いずれにもホームがあるため、バス用非常口も出入り台として使われることになっている。

以下に、当時の仕様書を基に書き出してみました。
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画像は、公益財団法人 交通協力会 電子図書館 国鉄線8月号から引用させていただきました。

こちらも併せてお読みくださいませ。 





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by blackcat_kat | 2017-04-29 13:13 | 気動車
2017年 04月 23日

冷凍コンテナの話

皆さまこんばんは、3週間近く放置してしま申し訳ございません。
本日は、昭和42年に試作された冷蔵コンテナのお話をさせていただこうとと思います。

国鉄時代に試作されていたクールコンテナが有ったそうです。

国鉄線昭和42年10月号の記事から引用させていただきます
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試作品のR91形コンテナ
元々冷蔵車は誕生以来、氷式もしくはドライアイス式で使われていましたが、昭和30年代後半から、コールドチェーンの考え方が浸透したことから、国鉄でも昭和37年にはレ90(ディーゼルエンジンで発電機を駆動して冷凍機を動かす電気式とと、ディーゼルエンジンで直接冷凍機を動かす直結式が試作されました。
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画像は、100年の国鉄車両 交友社から引用
この冷蔵車は、マイナス5度~20度の間で一定の温度に調整できるように設計されていたそうで、自動車(トラック)ではこうした冷凍システムが装備された車が増えつつあった時期であり、アメリカでも半ばそうした輸送は常識になっていたそうです。

5tコンテナによる冷凍コンテナを試作

国鉄としても、技術課題として、昭和42年に2両の冷凍コンテナが試作されたそうです。

昭和42年8月上旬には試作車のコンテナが完成し、各種試験を実施されたと記録されています。
コンテナの概要は、5トンコンテナに国産冷凍機を動力源として取り付けることとしたもので、その仕様は下記のようなものでした。
ア)幅2300mm、高さ2350mm、長さ3240mmの中で着脱可能な動力源を含む冷凍機にユニットを取り付ける
イ)冷凍機を付けることによって減少する内容積が出来るだけ少ないことにする(R10形の11㎡に比して10㎡弱)
ウ)狭いコンテナ内の一隅から冷風が吹き出し均一に分散する
エ)コンテナの重心位置と荷役機械の関係(からの場合は350mmユニット側に重心が移るため)
オ)道路運送中にデイゼル機関の排気処理や騒音を出来るだけ少なくする工夫
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取扱面について
詳細な寸法は書かれているのですが、冷凍装置は「独立ユニット」とのみ書かれており直接式だと思われます。
冷凍能力は外気温40℃で貨物室内の温度をマイナス20℃に保持でき。72時間運転が可能(予冷したものを積載することを前提)となっています。
なお、エンジンの異常、過熱等の場合はエンジンが自動停止するように設計されており、異常表示灯が点灯するようになっていました。

ただ、こうして作られた試作コンテナですが結局国鉄としては冷蔵コンテナに関しては国鉄が冷凍貨物輸送自体にあまり興味を示さなくなってしまったのか結局量産されることはありませんでした。

歴史にIFはありませんが、仮に国鉄がコールドチェーンの流通システムを国鉄が中心になって構築していれば鉄道コンテナによる鉄道輸送はもっと発展していたかもしれません。

取材・記事の執筆等、お問い合わせはお気軽に
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お待ちしております。

国鉄があった時代 JNR-era




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by blackcat_kat | 2017-04-23 21:44 | 貨車
2017年 04月 05日

国鉄時代に開発された新幹線自動分割・併合システム

みなさんこんばんは、久しぶりに投稿させていただこうと思います。
山形新幹線「つばさ」や秋田新幹線「こまち」を連結するためにE5系とE6系が連結して運転されることは当たり前の風景になりましたが、この技術は国鉄時代に開発されたもので、昭和60年から研究されていたようです。
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東京駅にて

元々、この技術は山陽新幹線の段落ち輸送に対応するためのもので16両で運転しても博多まで同じ編成では輸送力過剰になってしまいます。
そうかといって、本数で調整するとレダイヤに柔軟性が取れなくなるため、8+8で東京を出発し、新大阪等で分割することを前提で考えられたのがこのシステムです。

下図を見ていた概要を当時に鉄総ジャーナルの記事を参照しながら簡単に記してみますと。
1)列車の連結は一旦停止を行わず連結させることとすると書かれていますが、これは走行中に連結するわけではありません、連結までに何度も停止と進行を繰り返す在来線のような方式ではなく、機械ということです。
2)停車中の車両に後方から連結する速度は1㎞/h以下とする。
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鉄道技術 昭和60年7月号から引用
3)分割併合で電気連結器も含む連結器と光前頭カバーの自動開閉装置の開発(実際には連結器部分だけの開閉装置となりました、)
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鉄道ジャーナル RAILWAY TOPICSの記事から引用

4)それと関連してATCの改修(駅への進入などでかなり長い距離から減速を伴っていたのでこれを少しでも解消するようにパターンを改修する、)
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鉄道技術 昭和61年7月号から引用

と言った点も同時に開発されることとなりました。

この開発は昭和62年の分割民営化までに間に合わせることが出来て、実際にJR西でも2編成を連結して多客時などに走ったそうですが、途中駅での分割・併合は無かったようにきおくしています。

これは、JR東海が定員の異なる車両を導入することを嫌ったことも原因ではないかと思っています。
結局この自動連結装置の技術は、JR東日本が自社の新幹線での分割併合のシステムの中に取り込んで現在に至っています。
当時の鉄道御ピクトリアルの資料などを見ると、0系で貫通ドアを新たに設置させたり、ユニークなアイデァが書かれています。

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鉄道ジャーナル RAILWAY TOPICSの記事から引用

鉄道・飛行機歴史



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by blackcat_kat | 2017-04-05 21:49 | 電車