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2017年 10月 29日

EF66形機関車について 第5話

EF90の試験成果と量産車の登場

EF90は、昭和41年9月の落成以降、10月から年内いっぱいは種々の試験に供された後、EF65重連と一緒に特急貨物の運用に充当され、運用試験が続けられました。
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9月6日の落成、その後の展示会を経てからは本格的な試験が続けられたことが判ります。
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画像 wikipedia
EF66 1~20(第1次量産車)
私見の成果を踏まえ、昭和43年7月から第1次量産車が製造されました。
外観上に大きな変更点はなく、窓の中央部のサッシが少し細くなった他、乗務員室側 窓が2分割だったものが1枚物になったほかは、大きな 外観の変更はありませんでした。
これにより、EF65型重連運転による特急貨物はその任を解かれ、一般貨物専用としての運用に戻ることとなりました。

EF66 21~55(第2次量産車)
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大宮鉄博に保存されている、EF6611(1次車)
庇無しの姿

貨物輸送は、車扱い輸送(一般貨物輸送)は横ばいもしくは減少傾向でしたが、コンテナ輸送は、その定時制と簡便さから需要は右肩上がりで増え続け、昭和48 年10月のダイヤ改正においても増発が計画されました、ただし、従来の貨車コキ10000系は製造コストが高いこともあり、新たに電磁弁を使わずに最高速度も95km/h に抑えた、廉価な特急貨物列車、国鉄部内では「特急貨物 B と呼称」を設定することにしました。
これは、寝台急行列車と同じ最高速度となることから、平行ダイヤを組める(寝台急行列車と同じ速度で走れることを意味する。)こととなり、 これに充当すべく第1陣として11両が計画されました。
実際には、EF65でも対応可能だったのですが、特急貨物 A(従来の高速貨物列車)を牽引できるのはEF66しかないことから、運用の合理化を図る意味からも調度良かったと言われています。
2次車の特徴は、保守の合理化と機関助手廃止に伴う機器類の整備が大きな変更 点でした。
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京都鉄道博物館にてEF66 35

外観上の特徴としては、運転台前頭部に庇が設けられたこと、そのスタイルを大きくかえることとなりました。
なお、この庇は、その後追加工事で EF66901(EF90)を除く全車両が改造されたようですが、実際には EF6611のように、庇なしの車両も見受けられます。この庇(ひさし)については、ファンに間でも賛否両論がありますが、これがあるこ とでEF66らしさを出しているとも言えます、この庇は飾りではなく、パンタグラフに塗布された潤滑材の油がガラスに付着するのを防止するためのものです。さて外観からはわかりませんが、運転席を中心に大幅に変更がされました。

以下列挙します。
(鉄道ファン51年9月から抜粋)
運転台関係
  1. 乗務員の環境改善のため扇風機が設けられました。これにともない、前面飾り帯の中にあった外気取り入れ口が廃止されました。
  2. 運転台の計器類を一人乗務に適するように NFB(ノンヒューズブレーカ)を中心に出来る限り機関士席に集約しました。
  3. 乗務員無線設置
  4. EB・TE 装置を設置
  5. 乗務員無線導入に伴い、連絡用電話機を撤去
  6. マスコン脇にスイッチ(端子)箱を設置しました。
  7. ブレーキ増圧回路を客貨同様(編成増圧回路付き)に変更
  8. 熱線入り前面ガラスの導入(従来は温風式)しました。
  9. ワイパーの強化(高速化でワイパーブレードが浮き上がる現象がおこることが判明したため、バネを強化するなどの対策を施すこととしました。
  10. 運転台の表示灯を航空機用のユニットタイプに変更しました。
その他
  1. 空気ばねの形状変更
    異物介在により空気ばねがパンクすることがあったので、保安度の向上を図りこ とを目的として、前後の台車の空気ばねを3山→1山のダイヤフラム式に変更
  2. 難燃化対策
    昭和47年の北陸トンネルでの火災事故に鑑み、A-A 基準に準じた難燃化対策を実施
  3. その他
    機関車前面の手すり棒の位置変更及び階段の改良

補機類

  1. MG の出力向上(5kVA→90kVA)
  2. CP の2台搭載化、MG を最大2台同時に運転することで、緊急時の対応を強化した他、常に交互に動かすことで部品の摩耗を防ぎ長寿命化を図りました。
  3. MG、送風機のモーターをエレベーター等に使われる、三相誘導電動機に変更 しました。これによりブラシの保守が不要となり、メンテナンスフリー化と保安度の向上が図られました。



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by blackcat_kat | 2017-10-29 11:40 | 電気機関車


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