鉄道ジャーナリスト blackcatの鉄道技術昔話

blackcatk.exblog.jp
ブログトップ
2017年 10月 26日

EF66形機関車について 第2話

昨日に引続き、機関車登場の背景について語らせていただきます。
なお、EF66は、京都鉄道博物館に保存されている他、大宮の鉄道博物館にも保存されています。

EF66と言いますか、最高速度100km/hで走行できる貨車が誕生するまでは、85㎞/hが最高で、2軸貨車は75㎞/hにその速度が制限されており、高速道路の延伸などを考えると貨物列車の改善は急務と言えました。
博多港から大阪市場まで21時間30分は恐らくヤード系輸送による弊害だと思われますが、今から考えると時間がかかりすぎですよね。

表1 和41年当時の貨物列の速度

列車

現状

高速貨物

短縮時間

下り

汐留~長崎

44:15

28:45

15:30

汐留~博多港

33

20

13

笹島~香椎

25:45

16

9:45

梅田~熊本

14

13

1

列車

現在

高速貨物

短縮時間

上り

長崎~汐留

31

26:30

4:30

香椎~汐留

32

21:30

10:30

香椎~笹島

22:45

16:45

6

香椎~梅田

15:15

13:15

2

博多港~大阪市場

21:30

12:30

9


さて、そんな中で開発された高速専用貨車ワキ10000、レサ10000、コキ10000ですが、最高1000t の貨物を最高100km/h で走行するための肝心の機関車がありませんでした。
そこで、暫定的措置として、すでに製造されていた EF65のうち17両を高速貨物用機関車として指定し、貨物輸送用の設備を付加することとしました。(後述)

さらに、新型機関車の製造方針として、現行の EF65形機関車が使っているモーターを使用すると8動軸(H 形)機関車にせざるを得ないことが分かりました。
a0091267_08463741.jpg
すでに国鉄には EH10形機関車がありましたが、線路有効長(機関車が短いほど貨物をたくさん繋げられるため)の面や、保守のことを考慮すると F 形機関車が好ましいので、新たな機関車を開発することになりました。
ただし、モーターを含め、新たに電気部品等を開発する必要にせまられたのでした。

試作車誕生
当初は、8動軸も検討された新型機関車ですが、昭和41年中に大出力モーター設計の目処がついたことから、改めて F 形電気機関車として設計する方針が決定され、直流機関車としては、初めて試作車が作られることになりました。
機関車の形式は、EF90(国鉄当時、試作車は90番代を当てることが規定されていました。)という形式が与えられ、落成後はすぐに吹田第二機関区に配置されてさまざまな試験に供されることになりました。
a0091267_08532938.jpg
画像 Wikipedia
この機関車のスタイルがほぼそのまま、EF66形に引き継がれるのですが、今でも古さを感じさせないスタイルです、44年前’(作成当時の基準で)に出現した当時は大変斬新に感じたものでした。

元々、EF66は貨物輸送専用の機関車として計画されたので旅客輸送用の設備は設けられていませんでしたが、JR 西日本に継承された機関車には、その後客車制御用の電気連結器(ジャンパー線)が付加されました。(後述)
なお、計画当時は狭軌で最大出力の機関車と言われまた、この機関車は重量でも最大級(最大は EF63)でした。

続く



[PR]

by blackcat_kat | 2017-10-26 08:59 | 電気機関車


<< EF66形機関車について 第3話      EF66形機関車について 第1話 >>